DLv19止まり野郎の第3回KCカップレポート

 いよいよ第3回KCカップ第1ステージも終盤を迎え、猛者たちが第2ラウンドへ向けて対策を練っている今日この頃、皆さんいかがお過ごしだろうか。

 私はと言うと、先日ようやくDLv19まで到達し、時間と気力があればもうひと頑張りしてDLvMaxを目指してみようかなといった状態である。

 

 というわけで、今回は2018年2月に行われている、

 

第3回KCカップ

 

 

の感想について述べていきたいと思う。筆者の腕前等について知りたい人は、過去の記事を見てもらいたい。簡単に言えば、「過去の栄光にすがる、本気を出しても万年プラチナ止まり野郎」といったところか。

 なんにせよ微妙な腕前のプレイヤーの記事なので、強者の記事を期待してきた方は今のうちにブラウザバックすることをお勧めする。

 

 

 

 

・DLv1~5

 

 このレベル帯だと環境メタもひったくれもないので、取り敢えずは使ってみたかったジュラックデッキを投入することに。 

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 遊戯王をする以上、やっぱり攻撃力3000くらいの大型モンスターを切り札にして熱く殴り合いたい、ということで「ジュラック・タイタン」を2枚投入。その都合上、大進化薬やスタウリコといった大型召喚サポートカードも入れて、こんな感じのデッキになった。

 KCカップ開始直後はまだ恐竜デッキの評価も低かった(主に攻略サイト)ので、たぶんDLv5以降では通用しないだろうなと思いつつ運用。

 それでも、下級モンスターのパワーや横への展開力、「ジュラック・プティラ」の厄介さ、封魔の矢ジュラックタイタンが合わさったときの圧倒的な決定力といった魅力が詰まった良い感じのデッキにはなった。

 

 

 そして、特に大きな失速も起こさず、DLv1~5帯は難なく突破。

 一回磁石の戦士デッキに思いっきりぶん殴られて怪しい空気にはなったが、環境デッキとはあまり遭遇しなかったのが救いだった。

 

 

 

 

 

・DLv5~10

 

 何も考えずにジュラック続投。

 

 

 

 ……まあ、案の定DLv5,6辺りをさまよう羽目になった。

 

 前回もここでいきなり失速したので予感はしていたが、DLv5を超えた瞬間環境デッキが大量発生。機械天使剣闘獣陽炎獣恐竜の4つのみならず、ロックバーンデッキやレッドアイズスラッシュアンティークギア、ドラゴンデッキ辺りも合わせ8デッキくらいがデッキの大半を占めていた。

 案外アンデアイズは見かけなかった。

 

 そんでもって、自分のデッキは結構ガンガン負けた。

 陽炎獣の動きが分からずに自滅するなど、まだ環境デッキの内容を理解していないのもあったが、何にせよデッキ構築が甘すぎた。

 大型モンスター大量投入と封魔の矢2枚積みのせいでデッキがよく事故るし、防御札がクリボールのみなので戦闘サポート合戦に持ち込まれるとどうしようもなかった。

 

 

 というわけで、予定通りデッキ変更。前々から使いたくて仕方がなかったデッキにチェンジ。

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 そう、これこそが、知る人ぞ知る、鹵獲装置デッキである。

 定期的に入手機会があるトークン生成モンスターやレベル1,2特殊召喚カード、SR交換チケットでのみ手に入る「鹵獲装置」、上方修正されたスキル「戦力補充」、そしてエドの初期デッキに入っている「D-HERO Bloo-D」。これらが合わさると、中々えげつないデッキができ上がるのだ。

 創造の代行者ヴィーナスやクラスターペンデュラムの効果で鹵獲装置用の弾を作り出し、鹵獲装置を使って相手モンスターのコントロールを奪うのが一つ目の戦法。

 そして二つ目の戦法は、ヴィーナスやペンデュラムで場に3体のモンスターを一気にならべて、Bloo-D特殊召喚して相手モンスターのコントロールを奪いつつ相手モンスターを機能停止させるプレイングとなる。

 どちらの戦法も決まれば強力で、相手のパワーをそっくりそのままお返しする快感が癖になるデッキとなっている。

 

 結論からいうと、DLv5~10帯ではこのデッキは見事に活躍してくれた。

 誰も使っていないので(今大会では一回も遭遇しなかった)まず警戒されないし、Bloo-Dモンスター効果無効能力を知らずに行動して、美味しく自爆してくれたデュエリストも多々いた。

 また、

 

「モンスターを数体展開しときゃ、鹵獲装置なんてただの紙切れだろうが」

 

といったデュエリストも何人かは見かけたが、彼らにはエネコンによるコントロール奪取からの鹵獲装置が見事に決まって勝てた試合も多かった。

 あと、クリボールはやはり偉大。クリボールのお陰で首の皮一枚繋がって勝てた対戦があまりにも多い……。

 

 環境に対しての使い勝手を述べると、とにかく機械天使に一泡吹かせられる、ってのが大きかった。現在主流のサフィラ機械天使だと防御札積む余裕が無いおかげで、機械天使のパワーをそっくりそのまま返せて結構楽しい。ただ、様子見で韋駄天やら何やらだけ出してじっと待つプレイヤー相手だと、何もすることが無くて辛かった。あと、初手が悪いときに機械天使特有の超速攻を決められると泣くしかなかった。ついでに言うと、今回のKCカップはテンプレから多少崩したデッキも多く見受けられたので、事故上等で無理矢理詰め込んだ防御札や投入した意図が不明なマイナーカードに返り討ちにされて悲鳴を上げることも多かった。

 陽炎獣相手だと、Bloo-Dを出せば陽炎獣たちの効果がなくなるお陰で、本来陽炎獣相手に使えないはずのエネコンが使えるようになるので、Bloo-Dの効果を知らない相手だとやりたい放題できた。それでも、ビーストライザーや防御札、クロスソウル辺りを使われると面倒な試合になりがち。

 剣闘獣は結構キツイ。鹵獲装置でコントロールを奪ってもたいして戦況が良くならなのが面倒。「Bloo-D出せば効果なくなるからやりたい放題じゃん」、と思う人もいるだろうが、「総じて防御力が低い剣闘獣を吸収すると、Bloo-Dも防御が低くなる & 剣闘獣デッキ特有の防御札の多さ故にエネコン等で寝かされやすい」の2点がマズイ具合に重なり合って、Bloo-Dは非常に突破されやすい。

 恐竜デッキ相手も微妙なところ。下級ビートダウンがメインなので、コントロールを奪っても相打ち気味の戦いになって、ジリ貧に陥る。といっても、ジュラックプテラを奪ってしまえば相手の攻撃を止めることができるので、相手の裏守備モンスターを見かけたら積極的に鹵獲装置を使えば良い感じに戦える。Bloo-Dは暗黒ブラキやジュラックプテラを機能停止できるものの、防御札を含めた殴り合いになると安定感がガタ落ちする。結局、相手の防御札とこちらのエネコンクリボーによる下級ビート合戦もどきみたいになるので、コントロール奪取デッキを使っている感覚があまりない戦いになる。

 ロックバーンBloo-Dで相手の効果モンスターを機能停止させられるものの、こちらのBloo-Dも相手の罠カードで止められやすいので少し面倒。魔法罠カードでバーンを狙ってくる相手だとまず勝てない。効果モンスターによるバーンが主体の相手でも、底なし落とし穴をBloo-D相手に決められると目も当てられない事態になるので、その辺の警戒だけは怠らないようにしたい。Bloo-Dとラヴァゴーレムが共存する状況を上手く作って殴れば勝てる。多分。

 レッドアイズスラッシュ、アンティークギア、ドラゴンデッキ相手なら結構良い感じに戦える。相手がドヤ顔で出してきたレッドアイズスラッシュを奪う時の背徳感が凄まじい。ただ、ドラゴンデッキ相手の場合はボマー・ドラゴンには要注意。墓地で効果を発揮するモンスターなので、Bloo-Dのモンスター効果無効をすり抜けてしまうのだ。実際、今大会ではコイツに1回やられて、更に他の対戦相手でも同じことをやられそうになったので、そのときは必死にエネコンで守ったくらい焦った。

 

 

 とまあ、こんな感じでDLv5~10帯は鹵獲装置デッキで無事突破。

 正直Bloo-Dが破壊されたら勝ち筋が消える対戦も多かったので、蘇生手段を用意するかどうか迷ったが、良いカードを所有していなかったので断念。

 

 

 

 

 

・DLv10~15

 

 (鹵獲装置デッキで機械天使デッキを)全て壊すんだ!

 

 

 ……といった感じで意気込んで望んだものの、5連勝して8連敗するようなケースが続き、あっさりと心が折れた。

 原因はなんといっても、猪突猛進」。

 陽炎獣対策で流行ったのであろう猪突猛進が、まあ見事にBloo-Dに突き刺さる。ただでさえ分断の壁に怯えながらデュエルしていたというのに、両方積まれてはもはや打つ手なし。

 ただ、刺さる相手には鹵獲装置自体がぶっ刺さっていたので、勝てるときは勝てるけど負けるときは派手に負ける、といった極端な感じになってしまった。

 おまけに、機械天使も様子見した上でサフィラで手札を叩き落とされて勝てなくなるケースが増えてきて微妙な感じに。

 また、アンティークギアが減った代わりにネフティスデッキがここにきて増加してきたのだが、思ったよりカモりにくくて動きづらかった。

 

 

相手「次のターンに墓地のネフティス2体が復活すれば、片方は炎王の孤島の効果で墓地へ行っちゃうけど、Bloo-Dに装備された怨念の魂業火は剥がせる!もう一体の復活したネフティスでぶん殴ってゲームセットだ!」

自分「ははーん、さてはBloo-Dのモンスター効果無効を知らないな?残念だがネフティスではBloo-Dの装備を剥ぐことはできないんだよ、逆に返り討ちだ!」

相手「えっ、マジで!?装備破壊できねえじゃんどうすればいいの(一体目復活後になんかプレイが固まる)」

自分「よし、勝ったな」

相手「……あれ、でも待てよ、それなら炎王の孤島が破壊されないから、場に2体ネフティス並べて、粉砕使えば相討ちプラスダイレクトアタックできるじゃん、あ、勝ったわ」

自分「」

 

 ……っていう悲しい事件もあり、やけにネフティス相手に苦手意識を持つようになってしまった。炎王の孤島が破壊されなくなるのは盲点だった。

 

 

 

 そんなわけで勝ち越せなくなってきたので、デッキを変更。

 がしかし、今まで強いカードをしっかりと集めて来なかった代償がここで大きくのしかかり、勝てるデッキが組めない有様に。

 剣闘獣を組めば底なし落とし穴を持っていないせいでネフティスデッキや機械天使と当たって喰われる、ネフティスを組めば怨念の魂業火がないせいで低速化と手札事故が酷くなる、機械天使を組めばサフィラやセンジュが1枚ずつしかないからその構築の甘さ故に負ける、恐竜を組めばイベントカードが足りてないから現環境の恐竜デッキの劣化になって負ける、陽炎獣レッドアイズスラッシュはそもそもカードが無くて組めない……

 上記に加え、分断の壁や炎舞玉衡、エレクトロ軍曹といった汎用性の高いカードも殆ど持っておらず、3積み前提のデッキも一切組めない状態に。

 というか、「色物デッキである磁石の戦士デッキ組むために、不人気BOXと名高いプライマルバーストを引いてガイアプレートを2枚手に入れるぞ!」とかぬかしてたのがまずかった。ガイアプレート以外要らなかったのに、2週目に至っては残り18パックになるまでガイアプレート出てこなかったし。

 

 仕方がないので、比較的まだマシな構築になった恐竜デッキで、粘り強く戦うことに。 

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「環境デッキの大半に対しての対策が入っている凄いデッキです!」

 

……という苦し紛れのセールストークが聞こえてきそうな、一杯一杯の下級ビートダウンデッキになってしまった。誰が相手でも引き次第では互角~微不利で戦える、というなんともいえないデッキ。こういう中途半端なデッキが一番弱い。

 炎舞玉衡やネフティスなどといった魔法罠を潰しに来る相手にはクリボールで対処、機械天使恐竜剣闘獣レッドアイズスラッシュには防御札全般で対応、陽炎獣には猪突猛進と分断の壁とクリボールを駆使、ロックバーンは諦める……といったところか。

 やはりこのデッキはジュラックプティラが優秀なので、困ったらとにかくプティラに頼るのが大事になる。

 

 

 結論からいうと、そこまで強いデッキではないはずだが、脅威の引きの良さでうまいこと勝たせてもらって、なんとかなった。

 スレイブエイプを裏側守備表示にしていた剣闘獣デッキ相手に偶然ハイドロゲドンを引き当てて相手の作戦を崩壊させたり、ヴェルズサラマンドラを引いて無理矢理相手上級モンスターを突破したり、これしかない!って場面で各種防御札を引き当てたり。

 陽炎獣相手に残りLP50で必死に綱渡りの守りをしてデッキ切れ勝利したときには、「カードゲームは運で勝てる」っていうのを強く実感した。というか、陽炎獣との対戦の大半がデッキ切れ勝利なので、やはりデッキに大きな欠陥があるのは否めない。

 ただ、機械天使デッキが、

  1. 自分、エネミーコントローラーとジュラックプティラをセット
  2. 相手のターン、センジュゴッド召喚、ダキニを手札に加える
  3. 精霊の祝福を発動、手札の弁天とプチエンジェルをリリースしてダキニを召喚
  4. ダキニと弁天の効果発動、ダキニを手札へ
  5. 自分、エネコン発動でダキニを奪ってダキニ撃破
  6. 相手、機械天使の絶対儀式を発動、ダキニをデッキへ戻してダキニを召喚
  7. ダキニとセンジュゴッドでダイレクトアタック、ゲームセット

 

 という手順で運ゲーもひったくれもない後攻ワンキルゴリ押しを通してきたときは泣いた。

「防御札2枚引いてないと負け確定って、もうリスタート以外のスキルは採用できないじゃん……」

 といった泣き言を言っていた気がする。

 現環境の機械天使絶対殺すマンになりたいだけなら古来のカラテマンワンキル辺りでも使えばいいのだが、その他のデッキ相手に一切刺さっていないので難しいところ。やはり機械天使は強い。

 

 まあ、そんな事件はあったが、なんだかんだでじわじわと勝ち越し続けて、DLv15到達。

 

 

 

 

 

・DLv15~19

 

 流石に恐竜で綱渡り戦法をし続けるのは辛いのでデッキ変更。

 

 ただ、先程も述べたとおり、中々勝てるデッキが構築できず停滞。

 今まで使ったデッキを使いなおしてみるも、最高で鹵獲装置デッキのDLv17が限界という厳しい結果に。

 そこで、無理矢理ジェムをやりくりさせてこのタイミングで磁石の戦士デッキを完成させるも、「隣の芝刈り」による運ゲー依存のために環境デッキ相手に安定して勝てない上、モンスター破壊カードピン挿しデッキ勢と複数回当たってボコられる始末。一番まずかったのは、ネフティスデッキ相手に、本来勝てるはずのシーンでブラフとして伏せられた「荒野の大竜巻」相手にマジシャンライラ召喚からの罠破壊で逆にガイアプレートを破壊された試合。そのときピンポイントでライラを引かなければ勝てていた、という事実が重くのしかかり、そこから連敗して真っ逆さま。磁石の戦士デッキもDLv17止まりで終了。

 仕方がないのでエネコンやスケルエンジェルを積んだ機械天使で勝負するも、サフィラ軸意識で動いてきたプレイヤーたちを、エネコンや「機械天使の儀式」の効果で荒らすだけ荒らしてDLv16,17を低空飛行する状態に。ヴェーヌ軸も組んでみたものの、やはりサフィラには遠く及ばず低空飛行。完全に八方塞がり。

 

 

 ……だが、こういった状況は時間が解決してくれるものだ。

 

 そう、単純な話なのだ。

 

 機械天使がいなくなるまで待って、そこから機械天使以外に強いデッキを使えばいいのだ。

 

 

 というわけで、時間をある程度置いた上で、ここで採用したのはアンティークギアデッキ

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 前回のKCカップでは古代の機械巨人が1枚しかなかったので満足に組めなかったが、今回はしっかりと2枚用意したため万全の体勢となった。

 

クリボールだと決定力に欠ける。かといって伏せカードで対処しようとすると、心鎮壺や炎舞玉衡で伏せカードが機能停止させられる……」

 

というケースも多くて悩んでいたのだが、主力モンスターにパワーがあるこのデッキなら心置きなくクリボール3積みができるので、精神的にはかなり楽になった。

 個人的には「闇・道化師のぺーテン」はアドバンス召喚デッキにはお勧めのモンスターカード。性質上、壁としてもリリース要員としても長持ちするし、手札でダブってもギリギリ機能してくれる点が評価点。

 「禁じられた聖杯」は2枚積んでもいいかもしれないレベルで優秀。戦闘破壊ではなかなか古代の機械巨人が突破できないので、モンスター効果による突破を狙ってくる相手によく刺さる。この辺の採用枚数は難しいところ。ちなみに筆者は1枚しか持っていないのでそもそも2枚積めない

 

 

 で、このデッキはというと、まあ機械天使以外には大抵互角以上にわたり合える。

 陽炎獣デッキ相手だと、大抵の防御札を無力化して上から殴れるし、ビーストライザーや猪突猛進で向こうから殴って来てもクリボールやパルスボムが大抵止めてくれるので勝ちやすい。下手に余裕のないアドバンス召喚をしているとクロスソウルで負け筋を生みかねないが、それ以外ではあまり派手に負ける要素がない。

 剣闘獣は多少面倒な戦いにはなるが、防御札無効のお陰で一応戦える。不意のクリボールで相手を止めるのが強力。自傷ダメージによる剣闘獣効果使用も狙えないほどのLPまで追い込めばこっちのもの。禁じられた聖杯で剣闘獣の効果を封じてしまうのも強い。

 恐竜はジュラックプティラにさえ気を付ければいい勝負ができる。それでもプティラの採用率はそこまで高く無いので、基本的には楽。暗黒ブラキによる表示形式変更も古代の機械巨人には通用しないし、魔法罠でのサポート合戦は、アンティークギアの魔法罠封じと最強防御札クリボールを上手く使えば大幅有利な勝負となる。ただし、不意のエネコンによるコントロール奪取時にクリボールがいないと負けかねないことと、ハムストラットや闇道化師ぺーテンに対してハイドロゲドンを召喚されるとかなりのディスアドバンテージを背負うことになる、というこの二点には注意しておくこと。

 ロックバーンは気合で突破することになりがち。魔法罠封じがあるといっても、肥大化や底なし落とし穴の鬱陶しさが面倒なことこの上ない。アドバンス召喚を繰り返してロックを無理矢理突き抜けることになるが、安定はしない。ただし、こちらには脅威の奇襲カード「禁じられた聖杯」があるので、アマゾネスの剣士の攻撃宣言時に禁じられた聖杯を使うことで、逆に一撃で試合を終わらせることも可能。カウンター罠以上にカウンターっぽい働きをしてくれる。肥大化で攻撃力6000になった古代の機械巨人にアマゾネスの剣士が攻撃してきたときに、禁じられた聖杯を打ったときの高揚感は、言葉じゃ言い表せないものがある。病みつきになるレベル。

 レッドアイズスラッシュは、古代の機械城を残した状態で古代の機械巨人を召喚することを意識すれば、大抵上から殴り勝てる。防御札でリリース素材を守り切ってアドバンス召喚すれば勝ち。最悪、古代の機械城リリースから勝負しても防御札でどうにか立ち回れることもあるので、どう転んでも不利な勝負にはならないはず。

 ……で、機械天使はというと、まあ運がよければ勝てる程度。相手が手札事故をしている間に殴りきれば勝てるし、クリボールとエネコンが序盤に揃っている状態なら、クリボールで攻撃を防いでからのエネコンコントロール奪取&古代の機械城リリース召喚ワンキルでワンチャンはある。実際両方のケースで1回ずつは勝っている(強い機械天使使いは既に予選通過している可能性が高いので、普通に勝負したらワンチャンすらない可能性もある)。

 その他のデッキにも、魔法罠が封じられる点とクリボールの強さの2点で大抵どうにかなる。今大会は結構デッキがバラバラで、環境デッキでも防御札や除去札が独特なことが多いが、それも含めて封殺しやすいので結構強い。

 

 

 というわけで、多くの機械天使が去った後の平和な世界で、一応DLv19には到達。馬力と時間があるようなら、頑張って5連勝して予選突破を狙いたいところ。ただ、正直SRチケットに欲しいものが最近ないので、ここで満足してやめる可能性も大きいのだが。

 

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(今回の戦績。前回よりも対戦数が少ない状態でDLv19まで来れた割には、前回以上にしんどいKCカップだった気がする……)

 

 

 

 

 

・環境デッキ感想

 

 今回は使用デッキがばらけていて、非常に対策やメタが張りづらい大会だった。更に言うと、デュエリストそれぞれが様々なカードをデッキに投入しており、単なる環境デッキに見えても実際は予想外の防御札や除去札が組み込まれていて苦しまされたケースも多かった。個人的には、忘れたころに唐突に飛んでくる天罰や、ビックバンシュート装備からのパラレルツイスター2:2交換辺りが印象的だった。

 

 といっても、やはりよく使われるデッキというのは限られる。まあ、今回はそのデッキの数が10近くになるから対策が面倒にはなるのだが。というわけで、以下でそれらのデッキを軽く紹介する。

 

 

 

 どのDLv帯でも最低3割は存在し、猛威を振るったのはやはり機械天使

 サフィラという新たな相棒を見つけてしまったがために、手が付けられないほどのパワーを持つデッキになってしまった。速攻性、デッキの回転、パワー、除去能力……ありとあらゆる性能が一級品となっている。

 ただし、構築難度が高め(メインボックス3周が必須条件)であるせいか、環境が機械天使一色に染まることはなかった。逆に、その絶妙な構築難度のせいで環境デッキがばらけ、機械天使相手にメタを張ると他のデッキに負けて結果的に負け越す、というジレンマが発生し、結果的に機械天使一強を助長してしまった……と書くと、デジャブを感じる。

 メタるなら、魔法罠でガチガチに包囲して捕えてしまうか、防御札がなければ防ぐことができないワンキルデッキ(カラテマンワンキルとか?)で勝負するのが妥当だと考えられるのだが、いかんせんこれでは他の環境デッキに勝てないのが悩ましいところ。

 その上、大会中はテンプレデッキをよく見たが、たまに無理矢理防御札や除去札を入れているプレイヤーもいるので、メタを張ったところで無駄に終わることも少なからずある。筆者も磁石の戦士デッキで意気揚々と後手マグネットバルキリオンで攻撃をしかけたら、セットされていた人喰い虫に破壊された後、機械天使ワンキルを決められて絶望させられた。後攻を取っても勝てないとなると、もうどうしようもない。

 

 

 剣闘獣も、底なし落とし穴を筆頭とした相性のいい魔法罠が広く認知されたこともあり、「誰が相手でも戦える」というコンセプトで数か月間環境入りしている。大抵の防御札を採用できるので、魔法罠を読まれづらいのも強さの一つ。

 今回は不利な相手である陽炎獣を意識してか、スキル「リスタート」で事故率を下げつつ上級の剣闘獣を入れて打点を底上げしているデッキや、猪突猛進を採用しているデッキも多く見かけた。

 対策するならムルミロを機能停止させられるデッキ、つまり今回だと陽炎獣を使うと手っ取り早い印象を受けた。ムルミロを止める以外の対策としては、やはり魔法罠を破壊するのが常套手段。底なし落とし穴が気になるが、剣闘獣側の構築次第ではネフティスでも勝てる。心鎮壺や炎舞玉衡といったカード単体でも干渉できるので、ガッツリメタれば色んなデッキで勝機が見出せる。ただ、剣闘獣側も魔法罠に関しては様々な選択肢があるので、安定して勝つのは難しい。バック干渉が増えて来たら、クリボールを積む人が増えるだろうし。

 

 

 で、その陽炎獣はというと、剣闘獣と同等かそれ以上に使用者が多く、しっかりと環境デッキとしての立ち位置を築いた印象を受ける。

 アロマタクティクスとアドバンス召喚サポートカード(クロスソウルなど)からの怒涛の横への展開力、ありとあらゆるカード効果の対象にならない独特の耐性、炎舞玉衡による分断の壁封じ、そしてビーストライザーによる高打点。火力が低い、分断の壁で止まる、といった悪い前評判を全て覆す強いデッキに仕上がっている。対戦した感じ、事故ったところは一度も見たことが無いので、多分安定感も結構ある。

 人によっては、炎舞玉衡や召喚サポートカードを減らして防御札に回していることもある。火力底上げのためにスキル「粉砕」を採用しているデュエリストもいるが(多分ミラーマッチ意識?)、筆者と対戦したデュエリストはことごとくカードの種類当てをはずして、綺麗にこちら側の勝ち筋を作ってくれた。個人的にはアロマタクティクスの方が強いと思う。

 対策は2種類。まず一つ目は、攻撃力の高いモンスターで上から殴ること。上から殴れば攻撃力の低い陽炎獣は倒せる。が、ビーストライザーで攻撃力を上昇されると手の打ちようがなくなることもあるので注意。また、クロスソウルをされる心配がどうしても付きまとうので、2,3体は上級モンスターを召喚できる体制を作っておきたい。筆者は磁石の戦士デッキでガイアプレートでビーストライザー込みで完全に上を取った上に、フォースフィールドを積んでクロスソウル対策もしていた。そしてもう一つの対策は、対象を取らない防御札を用意すること。猪突猛進、クリボール、分断の壁、イタクァの暴風辺りが候補になる。が、炎舞玉衡を使われてしまって対抗手段を奪われてしまうこともあるので、そこは注意。

 

 

 以上3つのデッキたちはどれも強力で隙がないのだが、この熾烈な環境デッキ争いに名乗りを上げたのが、恐竜デッキだ。

 今までイベントをやっていればデッキの構築はジェムを使わずに済むし、最悪ジュラックシリーズを混ぜ込めば形にはなる、お財布に優しい強デッキ。そしてなにより、下級ビートダウンデッキの中では、単純にパワーがあって強い。展開力のあるハイドロゲドン、表示形式の変更を強要できる暗黒ブラキ、平常時は2150で瞬間火力は2750になるヴェルズサラマンドラ……そして後は好きなように魔法罠を突っ込むだけ。

 今回は、下級での殴り合いなら素で勝てるという理由からか、心鎮壺や炎舞玉衡辺りを積んでいるのもよく見かけた。コズミックサイクロンもよく飛んでくる。そして、庶民向けデッキ故かよく混ざる通常恐竜モンスターやジュラックたち。除去カード(ならず者傭兵部隊など)を入れているデュエリストもちらほら見かけた。後は強力な魔法罠たち(分断の壁、銀幕、猪突猛進、エネコン、など)。

 さて、対策の方だが、これといった完成形のデッキが存在しないせいか、一つの対策は取りにくい。心鎮壺や炎舞玉衡でこちらのバック干渉を狙ってくるデッキなのか、防御札を駆使しながら普通にビートダウンしてくるデッキなのか、またはその両方なのか……それによって対応が変わって来るのが難しいところ。一番簡単な方法は、相手のバックに干渉しつつ高打点のモンスターで殴ることだが(アンティークギアなど)、恐竜対策だけをするわけにはいかないので、各自のデッキの強みを押し付けて勝つことを狙った方がいいかもしれない。幸い、そこまでのデッキパワーはないので、強いデッキで強い行動をすれば大抵勝てる。

 

 

 さて、どの時代にも存在するロックバーンデッキだが、今大会でも結構な数のデュエリストが愛用しているようで、4,5戦に1回は対戦相手として出てくるほどには流行っているようだ。

 底なし落とし穴や肥大化といった罠カードで相手の攻撃をロックして、因幡の白兎などの一撃離脱型のダイレクトアタッカー、最強の除去手段によって召喚されて毎ターンバーンを行うラヴァゴーレム、自分が受けるべきダメージを全て相手に跳ね返すアマゾネスの剣士、といった面々でダメージを稼いで勝利する特殊なデッキ。どんな相手でもこの2つの罠カードが機能するため、大抵のモンスター相手にロックが決められるのが強み。

 今大会では、ライフポイント回復カードを大量に詰め込んでスキル「ディスティニードロー」で状況に応じたロックバーンを行う型と、「フライング寄生」から普通にロックバーンを行う型の二種類がメジャーだった。個人的には、後攻1ターン目で素で寄生虫パラサイドを引かされまくった「フライング寄生」の方が厄介な印象。カードの方はというと、ラヴァゴーレムの搭載可能枚数が増えたことが強化点。その他、フィールド魔法「心眼の祭殿」でダイレクトアタックのダメージを増やしにくるプレイングスタイルもちらほら見かけた。また、スキル「行けオジャマ!(うろ覚え)」を駆使して、ラヴァゴーレムをこちらのフィールドに2体並べてから所有者の刻印を発動して一気にゲームを決めに来たプレイヤーもいた。

 対策としては、心鎮壺や炎舞玉衡でさっさと伏せカードを潰してしまうのが手っ取り早いだろう。一般的に剣闘獣デッキもロックバーンデッキの天敵だと言われるが、ロックバーンデッキ側も別に勝てない勝負ではないっぽいので、そんなにガンガン行ける訳では無い。肥大化と底なし落とし穴で止められている間にラヴァゴーレム決められたりバーン食らったりしてると普通に負ける。更に、素で寄生虫パラサイドを引いてしまった場合はラヴァゴーレムの餌食になりやすくなるので、剣闘獣デッキでさえ不利状況に追い込まれる。「ロックしきれないけど、バーン速度自体は遅くないから、ギリギリロックデッキ側が勝てることもあるよ」といったところか。特に対策カードを積まずに対応したいのなら、エネコンによるサクリファイスエスケープを大事な場面で決める嗅覚を養うといいかもしれない。個人的には是非とも「禁じられた聖杯」によるえげつないカウンターを推奨したいところ

 

 

 6つ目に紹介するのは、ネフティスデッキ。今大会では、途中から徐々に増えて来た感じがする。

 ネフティスによる単純な魔法罠全破壊が強く、またネフティス自身も戦闘以外で破壊されると次のターン墓地から舞い戻って来るという性質を持つ。スキル粉砕込みで、攻撃力3000のモンスターが2体ポンポンと並び、その2体を魔法罠抜きで対処しなければならないという制圧力が凄い。

 今大会では、普通のネフティスデッキが流行っていた。極力事故を起こさないためにネフティスの特殊召喚に特化して防御札は最低限、というよくある粉砕ネフティス。特筆すべきことはない。

 対策としては、魔法罠抜きでも上から殴れるほどの強力モンスターを用意すること。機械天使が良い例。ただ、この場合は荒野の大竜巻で大型モンスターを処理される可能性があるのがネック。あと、底なし落とし穴にも弱い。また、自分のターンでエネコンでコント―ロールを奪って相打ちさせるなりリリースするなりするのも有効。フリーチェーンの表示形式変更魔法罠でも対処できる。クリボールも刺さる。結構弱点だらけ。だが、現環境に合わせた魔法罠だとネフティスが対処できなくて詰むこともある。現環境だからこそ強い、そんなモンスター。

 

 

 

 ここからはだいぶ使用者が減るが、それでも一定数見かけたので一応軽く記載。

 

 まずはレッドアイズスラッシュ。どのDLv帯でも一定数見かけた。

 このデッキを運用するデュエリストは結構デッキ構築を頑張っているのか、速攻でレッドアイズスラッシュをポンポンと出してくるケースが多かった。凄い場合だと3ターン目で2体並ぶことも。ただ、その後そのパワーで押し切れるかどうかはまた別の話。一応、対象にする効果を(大体一回)無効にするという耐性があるが、陽炎獣対策のついでに狩られている感が凄かった。勝つときも負けるときも一瞬という、爽快感溢れるデッキにはなっている。弱くはないけれど、陽炎獣をメタられているというこの環境に生まれ落ちたという点で、運が悪かった。

 

 次はアンティークギア。低いDLvではちらほら見かけた印象。DLv15以上でも、2回くらいは見た気がする。

 「無理して使うほど現環境に刺さってない」とは言われるものの、魔法罠を駆使して殴り合うデッキが増えた現環境だと結構動きやすい気がする。実際筆者はこれでDLv19にはなれたわけだし……いや、ひょっとしたらクリボール3積みとの相性が良い、ってだけなのかもしれないが。相変わらず剣闘獣相手だと弱さを露呈してしまうが、構築次第では全然いけるはず、多分。禁じられた聖杯アンティークギアはもっと流行るべき。

 

 次は磁石の戦士デッキ。5Lvごとに1人は見かけている気がする。

 墓地肥やしの手段が増えたので、結構面白いデッキにはなっている。割と現実的な確率で先行1ターン目でマグネットバルキリオンが出てくることがあるし、古代遺跡の目覚めが刺さる相手にはぶっ刺さるし、ガイアプレートの圧倒的火力も目を見張るものがあるしで、色々と魅力的な要素が多い。ただ、安定感がない。環境デッキには到底なれそうにない。

 

 次はアンデアイズ。偶然かもしれないが、今大会ではあまりみなかった。

 展開力、蘇生スピード、そこそこの打点で安定感があり、半年近くたっても未だに通用する凄いデッキ。そこまで現環境で弱いとは思えないが、何故か数が少なかった。アンデアイズを使うよりは機械天使を使った方が楽、ということだろうか。

 

 最後はブラックマジシャンデッキ。下から上まで、様々なDLv帯で見かけた。最高だと、DLv19が使っていた。数はそんなに多くない。

 パンドラ追加によるブラックマジシャン強化もあり、現実的に使えるデッキに。ハマれば馬鹿にできないレベルで強い。原作ファンなら使っていて楽しいこと間違いなし。ただし、ブラックマジシャン自身の打点がそこまで高く無いことと、ブラックマジシャンを破壊されると一瞬で止まるのが難点。実際、ブラックマジシャン召喚の瞬間に古代遺跡の目覚めを使い続けた結果、相手が一方的に殴られ続けるだけの可哀そうな展開になった。

 

 

 

 

 ……とまあ、以上が今大会でよく見かけたデッキになる。

 更に、デッキではなくカード単位で環境を語るならば、やはり底なし落とし穴と猪突猛進、分断の壁の採用率が高いように思えた。3積み率も高い。エネコンも相変わらず人気。そして何より、相手の策を封じるための心鎮壺や炎舞玉衡を採用しているデュエリストも多く見受けられた。特に、心鎮壺は遥か昔にブームが終わったものだと思っていたので、ここで復権してくるのは予想外だった。

 しかしながら、先程も述べた通り、ある程度採用カードが絞られるといっても、今大会は各々が何かしらの環境デッキを意識して採用率の低い魔法罠や除去カードを入れていることも多く、セットカードを読んでプレイするのが難しい環境になっていた。メタを張って勝ちに行くデュエリストにとってはかなり厳しい。

 

 

 

 

 

 環境デッキの感想としてはこんなところになる。

 

 ここからは個人的な感想になるが、前回大会からしっかりと先を見据えてメインボックスを3周してきたデュエリストたちが勝ち上がっている印象が強い。機械天使や剣闘獣といった環境デッキを構築する際も、「メインボックスUR3積みが正解」というデッキが増えて来た感じはする。ミニボックス3周やメインボックス1周ではパワー不足に陥ることが多くなった。プライマルバーストなんていう不人気ボックスを2周もするんじゃなかった……

 

 まあ、なんだかんだで今回もそこそこ楽しめた。陽炎獣対策のついでで狩られるレッドアイズスラッシュに涙したり、磁石の戦士や植物デッキで隣の芝刈りによる墓地肥やしが使えるようになって新時代の訪れを感じたり、ブラックマジシャンがついにまともに戦えるようになったり。

 相変わらずの機械天使の異様な強さについては思うところもなくはないが、それ以外の環境デッキは互いに対策カードを色々と詰め込み合ってデュエルしている感じが強く、何より10近くのデッキを対戦で良く見かけることを考えると、そこそこバランスは取れてて良い環境だったのかな、とは思う。禁じられた聖杯アンティークギアと、鹵獲装置デッキはもっと流行るべき

 

 というわけで、そろそろ今回の記事は終了とさせていただく。

 どうもありがとうございました。