アロマージデッキの使い方

 新パックや新キャラの登場により、季節と共に対人戦環境が目まぐるしく変化しつつある今日この頃、皆さんいかがお過ごしだろうか。

 

 私はと言うと、強化蘇生を3枚揃えるべきか、もっと他のことにジェムを使うべきか延々と考えているところである。ファンデッキの側面も含めて、磁石の戦士デッキは組みたいのだが、いかんせんシーステルスを筆頭とした新しいデッキたちが強力なもので……。

 大人しく、強化蘇生抜きのエーリアンデッキを組んで、後々シーステルスデッキを組む、という方針に変更するかどうかが非常に悩ましいところ。森羅を組むかどうかも考え所。

 あと、次回のKCカップに参加する余裕が無さそうで、現在少し頭を抱えている。ひょっとしたら、今回は参加を見送るかもしれない。磁石の戦士で暴れ回る楽しい計画がご破綻に……。

 

 

 さて今回は、新パックとは別の方向性で注目を集めているデッキ、アロマージデッキについて語っていきたいと思う。

 

 必須カードは全てカードトレーダーから入手できるので構築難度が低い上、刺さる相手には思いっきりぶっ刺さる面白い性能をしているので、ジェム不足でデュエルの成績が振るわず、

「ジェム稼ぎの繋ぎとして、組みやすくて強いデッキが欲しい!」

 

と思っているデュエリスト諸君にとって参考になれば、幸いである。

 

 また、「異次元の塔」のイベントにおいても、LPを回復しながら塔を登っていけるという利点を大いに生かせるデッキとなっているので、次回以降のイベント攻略用デッキを悩んでいるプレイヤーにとっても、参考になれば幸いである。

 

 

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構成

モンスター

(合計16枚)

 

魔法

  • コズミック・サイクロン ×1
  • アロマガーデン ×3

(合計4枚)

 

スキル

ディスティニー・ドロー

 

 

 

デッキコンセプト

 

 フィールド魔法アロマガーデン黄金天道虫によってアロマージモンスターたちの効果を発動し、高打点で貫通効果のあるベルガモットと相手モンスター効果を封じるローズマリーによるビートダウン勝利をもぎ取るのが、このデッキの狙い。この2体だけでなく、展開力とドロー増強を一手に引き受けるジャスミンも存在感を放っており、回り始めたら止めるのは至難の業。

 欠点は、回復カード頼みになる点と、破壊耐性やバック干渉手段の少なさ。フィールド魔法を徹底的に破壊してくるデッキ相手だと立ち回りが厳しくなるし、上手くデッキが循環していないときにモンスターを除去されると完全にこちら側の動きが止まってしまうこともある。

 

 ただし、このデッキの売りは拡張性の高さにあるので、環境に応じて必須カード以外のカードを入れ替えていけば、環境でも十分やっていけるだけのポテンシャルを秘めている。

 今回のデッキは、回復の安定感を増した上でディスティニードロー頼みの除去カードをピン挿しという構築にはなっているが、入れ替え候補のカードやスキルに関しては、この記事の最後の方でまとめて紹介したいと思う。

 

 

 

カード紹介

 

・ならず者傭兵部隊 

 このデッキ唯一のモンスター除去札。

 劣性時のディスティニードロー切り返し用にピン挿し。アロマージたちでは対処しきれない、相手の厄介なモンスターを撃ち抜くのが仕事。当然、どうでもいいモンスター相手に使うと泣きを見るので、ここぞという時に使うことを意識する。

 

 環境に応じて、この枠は除去札なり防御札なり回復札なりコンボカードを入れる。

 

 

クリボー

 説明不要の防御札。せっかく3枚持っているので、キッチリ3積み。

 奇襲性が高く、ベルガモットローズマリーの攻撃力ならクリボールで十分状況打破に繋げられるので採用。

 最近は、アロマージデッキを筆頭にクリボールを封じてくるデッキも少しずつ出現している。辛い。

 

 

・アロマージ ― ジャスミン

 このデッキの潤滑剤。

 

 モンスターの展開、ドロー増強、壁……何でもござれの凄いカード。

 LPが相手より多い場合、通常召喚に加えて、ジャスミン以外の植物族モンスターを召喚できる。

 そして、1ターンに1度、自分のLPが回復した際に、デッキから1枚カードをドローする。

 

 アロマガーデン込みで2400の壁モンスターになるので場もちがよく、ひとたび居座ることができれば、効果による追加ドロー、効果によるアロマージモンスターの展開によってどんどん相手を窮地に陥れることが可能。機能し始めたら止まらない、そんなサポートモンスター。

 この性能の高さ故に、単純なビートダウンのみならず、デッキに様々な可能性をもたらしてくれる。有名どころで言えば、恵みの雨とビックバンガールで組んでキュアバーンを行うデッキ構築だろうか。また、デッキ枚数の少ないデュエルリンクスならば、エクゾディアデッキに組み込んでみても面白いかもしれない。未検証だが。

 

 弱点は、相手よりLPが低かったり、回復手段がないとパワーダウンする点。特に、デュエル後半の追い詰められた状況でジャスミンを引いてしまうと何もできなくなってしまう(構築によってはカバー可能)。

 

 

・薔薇恋人

 召喚サポートカード。

 

 墓地から除外することで、手札から植物族モンスター1体を特殊召喚できる。そして、そのモンスターは召喚したターンの間、相手の罠カードの効果を受けなくなる。

 

 つまり、この効果で召喚したターンなら、分断の壁やイタクァの暴風等を気にせず攻撃できるというわけだ。当然、上級モンスターであっても召喚できるので、基本はベルガモットを召喚するとオイシイ展開になる。場合によってはローズマリーを展開することも。更に言うと、どうしても手札枚数アドバンテージを稼ぎたいときは、ジャスミンを表側守備表示で召喚して効果を使うことも。

 効果を使っての特殊召喚は、展開力と切り返し能力に優れているので、勝負所で大きな仕事をしてくれるはず。

 

 墓地への送り方は、基本的には薔薇恋人をセットすることが多い(連鎖破壊等を使う手もあるが非現実的)。一番大掛かりでおいしいコンボとしては、

 

  1. ジャスミンがフィールド上にいる状態で、薔薇恋人を召喚、或いはセット
  2. ジャスミンの効果を使い、薔薇恋人をリリースしてベルガモットを召喚
  3. 更に墓地の薔薇恋人を除外、手札から2体目のベルガモット特殊召喚

 

……というコンボだろうか。こちらも滅多にお目に掛かれないコンボではあるが、たまに使えることがあるので頭の片隅に入れておくといい。

 また、ジャスミンでガンガン手札を増やせている場合は、手札を7枚以上にして薔薇恋人を捨てるのも有効。もっとも、そんな余裕のある状況まで持っていけている時点で勝ちは濃厚なのだが……まあ、一応保険にはなる。

 

 欠点は、罠にしか対応していないことと、薔薇恋人自体には戦闘能力がないこと、そして薔薇恋人が墓地にいないと特殊召喚できないので発動までにラグがあることだろうか。

 何にせよ、単体だと何の役にも立たないカードであり、手札事故の要因になることも多いので、採用枚数はしっかり考えた上で決定したい。

 

 

・アロマージ ― ベルガモット

 このデッキのエースアタッカー。

 

 アロマガーデン込みで3900の攻撃力と3300の守備力を誇る。黄金天道虫等で単純な回復をした場合でも、攻撃力は3400まで上がる。大抵の相手には勝てる上、寝かされてもビクともしない。更に貫通効果持ち。というか、味方の植物族モンスター全員に貫通効果を付与するので、色々と頭がおかしい。星6モンスターなので、リリース1体で召喚できる。薔薇恋人で出しても強い。

 

 悪いところが見当たらない、優秀なアタッカー。一撃でゲームを終わらせるだけのパワーと貫通効果を持っているので、相手からしたら恐怖の塊でしかない。事故は増えるものの、構築次第では3枚積みを考えてもいいほどの性能を持っている。

 

 無理矢理短所を挙げるなら、上級モンスター故に手札事故の要因になりかねないことと、除去耐性がないことと、アロマガーデンや回復札がないと普通の星6モンスターに成り下がること。後は、LPが相手よりも少ない場合、貫通効果が全て消えてなくなる点(逆にこれは、有利LP状況でエネコンで奪われた場合に被害が少なくなるメリットにもなっている)。

 まあ、その程度の短所が霞んで見えるほどには、とんでもない性能をしている。強い。

 

 

・アロマージ ― ローズマリー

 このデッキのメインアタッカーその2。

 

 アロマガーデン込みで2300の攻撃力を持つ。

 また、自分のLPが相手より多いと、自分の植物族モンスターが攻撃する際、そのダメージステップ終了時まで相手はモンスター効果を発動できなくなる。

 そして、1ターンに1度、自分のLPが回復した際に、フィールド上の表側表示モンスター1体の表示形式を変更する。

 

 一つ目の効果は強力で、リバースモンスターや墓地で効果を発動するモンスター、果ては「止められない防御札」と謳われたクリボールすらも封じてしまうとんでもない性能となっている。植物デッキなら、味方全員にこの効果を付与してしまう点が非常に恐ろしい。相手のデッキ次第では、このローズマリーだけで完封できてしまうことも。

 二つ目の効果も癖があるものの強力で、自分ターンが来るたびに(回復ギミックがあれば相手ターンにも)エネコンを使えるような状態になっている。というか、自分モンスターに対しても効果が適用できるので、様々なことに応用できる。応用の一例としては、

  • 単純に戦闘破壊サポートとして使い、相手を寝かせたり起こしたりして叩く
  • 相手を寝かせることで、攻撃力増減カード(銀幕、分断の壁など)に対する保険をかけつつ叩く
  • ジャスミン召喚→ジャスミンの効果でローズマリー召喚→この効果でジャスミンを守備表示にして完璧な布陣を整える
  • 表示形式変更で効果を発動する自分モンスターの表示形式を変更し、効果を使う(マーダーサーカス、ライトロードマジシャンライラなど)
  • 底なし落とし穴で表示形式を固定されたアタッカーを無理矢理起こして戦わせる(大抵の場合、生命力吸収魔術などのカードで表側表示にする必要がある)
  • 相手ターンにライフ回復カードを使って、エネコンさながらの行動で攻撃を防ぐ
  • 味方の植物族がやられたときにアロマガーデンの回復効果が発動するので、それでローズマリーの効果を発動し、相手の追撃を防ぐ。
  • 上記の効果を把握した上で、2体のアタッカーのうち1体を守備表示にすることで対策してきた相手に対して、クリボール等の防御札を使用することによって、相手モンスター2体を守備表示にし、返しのターンで一気に殴る

 

 ……といったプレイングが挙げられる。

 個人的な意見としては、芝刈り植物デッキを組む際なんかは、ライラとローズマリーのコンビは結構使いやすそうな気がする。

 兎にも角にも、ローズマリーのこの能力が、アロマージデッキの拡張性の高さを支えているといっても過言ではないだろう。

 

 で、欠点だが、一番分かりやすい短所を述べるなら、やはりその防御力の低さ。素で700しかないので、寝かされると絶望的。

 もう一つの欠点は、2つ目の効果の扱い辛さ。特に、先行1ターン目でアロマガーデンローズマリーしか使えそうにないときは頭を抱えることになる。

 幸い、召喚した次のターン以降は、自分のモンスターがローズマリーの効果で表示形式を変更されても、メインフェイズ中すぐに手動で元の表示形式に戻すことができるので、気を付けるのは召喚したばかりのモンスターのみになる。上手く効果を活用するべし。

 

 

・黄金の天道虫 

 スタンバイフェイズにこのカードを相手に見せることで、LPを500回復する回復札。

 別名、闇遊戯ロックデッキの要。

 

 今現在、手札を積極的に叩き落としに来るデッキは殆どないので、手札にさえ来てしまえば、毎ターン500LPの回復が約束されているようなものである。2枚あれば毎ターン1000LPも回復する。

 回復がトリガーとなるアロマージデッキとの相性は抜群な上、ディスティニードローとの相性も良い。

 

 当然、モンスターなので召喚やセットも可能。毎ターンの回復を捨てることにはなるが、黄金天道虫召喚からのジャスミンの効果で即ベルガモット召喚に繋げる動きもそこそこ強い。

 一応、セットして1ターン守り切って、次のターンベルガモットの召喚に繋げるということもできなくはないが、効果の都合上黄金天道虫をセットしたことがバレバレなので、狙い通りことが運ぶとは限らないので注意。

 

 

・コズミック・サイクロン

 汎用性の高い魔法罠除去カード。

 シーステルスデッキの登場により、一気に株が急上昇した。

 

 採用理由は当然、シーステルスに一矢報いるため。その他のデッキ相手でも、何かしら使えるシーンは出てくるので、入れておいて損はないカード。

 このデッキだと、ジャスミンによるドロー加速、アロマガーデンによるライフ回復、ディスティニードローの3つが上手い具合にコズミックサイクロンと噛み合う。ジャスミンのドロー増強やディスティニードローでコズミックサイクロンを手札に呼び寄せ、豊富なLPをコストに相手の魔法罠を撃ち抜くべし。シーステルスを重く見るなら、2,3枚積んでみたり、回復手段を増やしてジャスミンのドローを加速させてみたりするといいかもしれない。

 

 

 

・アロマガーデン

 このデッキの心臓。

 

 自分フィールド上にアロマモンスターがいるとき、1ターンに一度500LP回復できる。

 また、この効果の発動後、次の相手ターンが終了するまで、自分フィールドのモンスターの攻・守が500上昇する。

 そして、自分フィールド上のアロマモンスターが破壊されて墓地へ送られたとき、自分は1000LP回復する。

 

 回復が効果発動のトリガーとなっているアロマージたちは、このカードがあって初めてその力を十二分に発揮するようになる。

 攻撃と守備が500ずつ上昇するのも魅力の一つ。アロマージたちの打点や守備力を、絶妙な高さまで引き上げてくれる。

 3つ目の効果も非常に強力で、意地でも相手にLPで有利を取らせないという意思が伝わってくる。相手ターンにおいては、アロマガーデンのこの効果がローズマリーの効果のトリガーとなるため、相手の追撃を抑えたり、相手の行動を限定する作用もある。

 

 また、おまけ程度の話にはなるが、

  1. アロマガーデンの効果発動、モンスターたちの攻撃力500上昇
  2. 手札のアロマガーデンを発動、効果発動で更に攻撃力500上昇
  3. 更に手札のアロマガーデン発動、効果発動で更に攻撃力500上昇

……という荒業もできなくはない(検証済)。攻撃力をほんの少し上乗せしたい場合は、こういった行動に頼るのも手。

 

 デメリットや欠点は特にない。

 何と言うか、このカード自体が弱点(破壊されると駄目的な意味で)。

 

 今回は黄金天道虫を入れているのでそこまで気にならないが、毎ターンの安定した回復がアロマガーデン頼みになっている構築の場合、アロマガーデンを破壊されるだけで詰みかねない。

 

 

 

プレイング

 

  • 序盤

 先攻1ターン目なら、まずは薔薇恋人ジャスミンをセットして様子を見たいところ。流石に初手から、

ジャスミン召喚→回復→ジャスミンの効果でベルガモット

「取り敢えずローズマリー召喚」

 

といった怖い行動はしたくない(底なし落とし穴警戒等の目的があるなら話は別)。

 

 後攻の最初のターンや先攻時の3ターン目になったら、こちらから仕掛けたり返しの攻撃を浴びせてもいい。ローズマリー召喚からアロマガーデン発動で相手を寝かせて殴ったり、薔薇恋人の効果でベルガモット出して殴ったり、ジャスミンから大量展開狙ったり。

 LPリード状況ならアロマージたちが動きやすくなるので、なるべくダメージを受けない立ち回りを意識する。

 また、今来ていると話題の森羅を警戒するなら、さっさとLPリード状態を作ってローズマリーでセットモンスターを殴りたいところ。

 

 理想は最初のうちに手札を増やして選択肢を多くしておくことなので、ジャスミンが引けたら、早いうちにジャスミンを表側守備表示でフィールド上に居座らせたいところ。表側守備表示にする方法としては、

 

……この辺りが挙げられる。

 相手が1900以下で殴ってくれるかどうかは時の運なので、そんな不確かなものに頼るのが嫌なら、それ以外の方法を取るべし。

 一応、環境における読み合いの観点から述べると、

 

「闇遊戯で初手黄金天道虫してきたよコイツ……絶対害悪ロックデッキじゃん。何のモンスターを伏せているかは分からんけど、どうせモンスター除去効果持ちの面倒なやつでしょ、適当な捨て駒モンスターで殴って処理しちゃお」

 

と、相手が読み違えてくれれば、ジャスミンが無償で表側守備表示になれる。ただし、厄介なリバース効果持ちと読むからこそ、除去札(例:暗黒界の雷)で確実に仕留められることもある。この辺は悩ましいところ。

 

 ジャスミンが引けない場合は、回復札や防御札と絡めつつ、アタッカーで普通に殴っていけばいい。

 

 

  • 中盤

 優勢状況なら、そのままどんどん殴り続ける。ジャスミンのドロー増強や展開補助がもう十分だと感じたら、ジャスミンリリースからベルガモットを出して一気にケリをつけてもいい。

 何にせよ、今回のデッキは防御札が少ないので、ジャスミンの効果で手札を十分稼いだ上で、アタッカーの召喚を何度も繰り返して一気に押し切りたいところ。破壊されても破壊されてもローズマリーベルガモットをしつこく手札から召喚していきたい。

 

 劣性状況だと多少話が変わってくる。

 とにかく回復カードや防御札で粘りつつ、ディスティニードローによる逆転を目指す。モンスター破壊ならならず者傭兵部隊を、魔法罠の除去ならコズミックサイクロンをディスティニードローで引き当てるべし。その2枚で相手の厄介なカードを止められたら、アロマージたちで場を整えたり逆襲に出るべし。

 また、単純に手札事故でアロマージが手元にいない場合は、ディスティニードローで一番必要なアロマージを引くべし。相手を急いで攻める必要がなく、また攻めたら相手の思う壺だという場合はジャスミンを、薔薇恋人が墓地に落ちていて、魔法罠による攻撃力増減込みでも上から叩けそうならベルガモットを、効果モンスターを潰しつつ殴る(或いはベルガモットが出せないときの妥協案)ならローズマリーを。

 

 

  • 終盤(長期戦)

 このデッキは基本的に、ジャスミンでガンガン手札を増やして攻め立てるのが正解なので、終盤まで延々と時間稼ぎをされて粘られると、こちらのデッキ切れ敗北が見えてくる。

 で、対策はあるのかというと、正直なところない。

 徹底的にこちらの攻撃を止めてきて泥仕合に持ち込まれると敗北濃厚。

 

 たまにあるのが、「ロックバーンでは削り切れないほどLPを回復したのに、ロックバーンデッキ相手にデッキ切れで負けた」というケース。一応、ジャスミンの効果の使用を控えて対抗できなくはないが、この場合でも相手が何かしらのデッキ切れ対策を講じていると負けてしまう。難しいところ。

 こればっかりは、構築段階で大幅な改造が必要になる。

 

 

 

入れ替え候補のカード(スキル)

 

・LP増強α

 LPを1000リードした状態でデュエルがスタートするので、初手で回復カードがない場合でも、最初からアロマージたちの効果が使えるようになる。特に、ジャスミンの召喚権増やしが強力で、1,2ターン目から回復札なしでも比較的安定して展開できるようになる。ローズマリーのモンスター効果潰しが最初から使えるのも強力で、初手リバースモンスター伏せプレイヤー相手だと思いっきりぶっ刺さることも。

 また、回復カード無しでもある程度立ち回れるようになるため、回復カードを減らしてその分防御札やコンボカードに当てることも可能となり、構築の幅は広がる。

 また、後攻1ターン目でローズマリーさえ手札にあれば、森羅デッキ相手にも強く出られる。

 

 ただし、このスキルにすると手札事故への耐性がなくなるので注意。モンスターを固めて引いてしまう分にはまだギリギリどうにかなるが、防御札と回復札のみが初期手札に固まった場合は悲惨。

 

 

・リスタート(バランス、デュエルスタンバイ)

 手札事故回避スキルたち。

 回復をガーデンのみに頼りきったり、上級モンスターを多めに入れるなどといった少し無茶な構築にする場合は必須になってくる。

 

 

・神の恵み

 回復用カード。永続罠。

 ジャスミンとの相性が非常に良い。LP回復の速度を上げたいなら候補に挙がって来る。これがあれば、アロマガーデンコズミックサイクロンで除外されても勝ち筋が残る。

 ただし、ドローするときに強制発動するので、そのターンに召喚する予定のアロマージたちの効果発動トリガーを引いてくれないという短所はある。やはり、一番いいのは所詮アロマガーデン

 当然、このカード自身もアロマガーデン同様除去に弱いので、除去耐性を気にするなら黄金天道虫に軍配が上がる。

 また、滅多にあることではないが、強制で効果を発動してしまうのが裏目に出ることもある。

 

 

・生命力吸収魔術 

 アロマージデッキの登場によって、ようやく日の目を見た罠カード。

 アロマージデッキで使う場合は、自分のターン相手のターン問わず好きなタイミングでライフを回復させられる有能カードになる。つまり、ローズマリーの効果と合わせることで、本物のエネコンの如く相手モンスターの攻撃を止められるのだ。

 また、裏側守備表示モンスターを全て表にする効果もあるため、セットしたジャスミンを能動的に表側守備表示にできる。便利。そして、そのついでに相手のリバース効果モンスターを腐らせることもできる。特に、相手がセットモンスターを防御札で守り抜いたときはリバースモンスターの可能性が高いので、直後の相手のスタンバイフェイズ辺りで使うと、相手の企みを無に還せる。

 そして何より、このカードは「底なし落とし穴」への強力な対策となる。底なし落とし穴で機能停止したモンスターがいる状態で生命力吸収魔術を使えば、取り敢えずは表側表示にできるのだ。そしてそこからローズマリーの効果を使えば、無理矢理攻撃表示にして働かせるなど容易いこと。凄いピンポイントメタカード。

 

 ただし、防御札としては不十分であり(ローズマリーがいないと防御札として機能しない上、所詮効果はエネコン止まり)、コンボ前提で動かなければならないのが不安要素。コンボが増えれば増えるほど事故率は上昇するので、「底なし落とし穴」を重く見ない限りは採用するメリットが薄い。

 

 

・ドレインシールド

 防御札。

 普通なら相手モンスター1体分の攻撃しか止められない上、自分のLPが増えるだけでボート上の状況が一切変わらないただの延命措置にしかならないことが多いが、このデッキだと、ローズマリーがいれば2体分の攻撃が止められるし、ジャスミンがいればカードを1枚ドローできたりするので、少しお得になる。

 

 ただし、他の汎用性の高い防御札とは違い、盤上をすぐさまどうにかしてくれるカードではないので扱いが難しい。LPリードを保つことに重きをおくプレイヤーなら、採用する価値はあるだろう。

 

 

・フレグランス・ストーム

 ドロー加速ギミック。

 このデッキだと、薔薇恋人に使うのが普通か。ただし、ほぼ薔薇恋人専用のカードになってしまうので、手札事故は増える。

 姫葵マリーナや世界樹をデッキに投入する場合はコンボ性能が上がるので、その辺を軸にするなら採用を検討してもいい。

 

 

世界樹

 植物族が破壊される度にフラワーカウンターが増えていき、そのフラワーカウンターを消費することで様々な恩恵が受けられる。

 アロマージデッキに単体で入れても一応仕事はするが、手札事故率を上げてまで採用するメリットは薄い。採用するなら、ツクシーやロードポイズンも採用したいが、そこまで行くともはやアロマージデッキではなく植物デッキになる。

 

 

・姫葵マリーナ

 植物族の上級モンスター。カードトレーダーから入手可能。

 手札事故率を上げてまで採用するメリットは薄い。

 が、構築次第では化けるので色々と考えてみると面白い。ツクシーやロードポイズン、薔薇恋人、ボタニティガール、フレグランスストーム辺りで色々コンボできる。当然、その場合は「アロマージデッキ」というよりは、「アロマージ&植物族デッキ」になってしまうが。

 

 

・ボタニティガール

 アロマージデッキにおいては、薔薇恋人ローズマリーのサーチカードになる。

 個人的な感想だが、ボタニティガールを入れてみた感じ、実質ローズマリーのサーチにしか使えないので扱い辛さが目立った。使いやすくするなら、やはり植物族デッキで採用するべき。

 

 

・ロードポイズン

 戦闘破壊されたときに、「ロードポイズン」以外の墓地の植物族を蘇生するカード。

 多分、マリクのレベルアップ報酬。

 

 投入したことはないのであくまで想像にはなるが、ベルガモットの蘇生ができる点と、豊富な回復手段のお陰でロードポイズンの自壊特攻がしやすい点から、そこそこ使いやすいとは思う。ベルガモット以外の上級植物モンスターを入れても面白いし、世界樹や姫葵マリーナの効果用に自壊特攻すればヘビーなコンボができる。

 

 

・ギガプラント

 最新パックで出て来た星6の植物族モンスター。

 デュアルモンスターで、1ターンに一度、手札か墓地から植物族か昆虫族を特殊召喚できる。攻撃力も2400あり、維持もしやすい。

 一度居座ってモンスター効果が回り始めたら止められない、そんなモンスター。強い。

 

 ただし、星6のデュアルモンスターということもあり、準備に多少時間がかかるのは面倒。手札事故も起こしやすい。始動用のギミックをしっかり用意しておかないと、身動きが取れなくなって詰む。スーペルヴィスやロードポイズン、バニラモンスターサポート等でしっかりカバーしたい。

 また、デュエルリンクスではその防御力の低さも目に付く。エネコンで寝かされて殴られて終わり、ということも起きかねないので、対策は施しておきたい。そういう意味でも、やはりスーペルヴィスは必須となるか。

 

 

・ビッグバンガール

 バーン効果持ちのモンスター。今のところは1枚のみイベントで配布されている(詰めデュエルの報酬?)。

 細かい回復を繰り返すアロマージデッキとの相性は良く、フィニッシャーとして使うと効果的。サーチカードを積む余裕がないのがネックだが、ディスティニードローで引けば問題ない。

 ただし、このカード単体では機能しないので、手札事故要因にはなってしまう。序盤で引いてしまうと扱いに困る。

 

 

・神の忠告

 あらゆる魔法、罠、モンスターの召喚、モンスターの効果発動を無効にして破壊するカード。対象範囲が尋常じゃない広さのカウンター罠

 その代わり、発動の際に3000LPを要求され、更にこのカード以外のセットカード(魔法罠)が存在している場合は発動できないという、非常に扱い辛いカードでもある。

 

 このデッキだとLPが豊富にあるお陰で、発動自体は現実的である。セットカードの条件も、防御札を減らして回復札やモンスターに特化した構築にすれば十分クリアできる範囲。クリボールで防御札を固めれば比較的採用しやすい。

 キッチリと相手の主要カードを止めることができれば、相手を封殺して勝利することも可能になる。

 

 ただし、アロマージデッキと言えど3000のLPを失うのは結構な痛手。下手をすれば、アロマージの効果が使えなくなったせいで負けることもある。

 また、LPが削られている劣勢時の切り返しには使い辛いのも難点。背水の陣を戦っている際、3000LPを払うのは厳しい。不利状況に陥る前に使わないと意味がないので、ディスティニードローが使える状況まで追い込まれたときには既に手遅れなことが多い。

 当然、マストカウンターをしっかり決められないと意味がないのも難しいところ。デッキが多様化した昨今では、その見極めは困難を極める。

 

 

・封魔の矢

 発動ターンのバトルフェイズ中、相手の魔法罠を一切発動させない速攻魔法。ある意味フィニッシャーともいえる。

 LP有利状況で場にローズマリーが居れば、そのターンでの勝利が約束されたも同然となる。モンスター効果、魔法、罠の全てが無効となった状態で一気に殴れば、相手には為す術がない。非常に強力。採用しない理由が見当たらない。といいつつも、筆者本人はディスティニードローでの切り返し性能を重視した結果、採用を見送っているが。