サイマジデッキの使い方(過去の遺産)
次のKCカップが1カ月後に迫り、レギュレーションや環境にどうやって対応していくかを多くのデュエリストが悩んでいる今日この頃、皆さんいかがお過ごしだろうか。
私はというと、案の定前回のKCカップで燃え尽きてしまい、ついに12月は10戦もしないうちにランクマッチが終わってしまった次第である。ただし、使いたいデッキ自体はいくつかあるため、2月までにデッキ構築を間に合わせたいところ。ジェムナイトの罠融合奇襲ワンキル害悪戦法を使いたいだけだが
さて今回は、昔使っていたサイレントマジシャンデッキの紹介をしたいと思う。
もはや現環境には全く刺さっていないが、バランスアイズ、ネフティス、ブルーアイズが幅を利かせていた(&速攻魔法が防御札の主流だった)当時は短時間で勝負がついて、且つそこそこ勝ち越せるという、交換チケット狙いなら非常に便利なデッキではあった。
現環境で運用するのは厳しいものがあるが、単純な動きで爽快なデュエルをしたいというデュエリスト諸君の参考になれば、幸いである。
構成
モンスター
- サイレント・マジシャン LV8 ×2
- 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム ×1
- エア・サーキュレーター ×1
- サイレント・マジシャン LV4 ×3
- スケルエンジェル ×3
(合計10枚)
魔法
- サイレント・バーニング ×3
- レベルアップ! ×3
- 打ち出の小槌 ×1
- 嵐 ×3
(合計10枚)
スキル
リスタート
デッキコンセプト
リスタートや打ち出の小槌による手札入れ替え、スケルエンジェルやサーキュレーターによる手札増強によって完全に手を整えてから、サイマジLV8を一瞬で召喚して、攻撃力3500による奇襲とサイマジLV8の魔法耐性によって一気に試合を決定づけるのがこのデッキの主な勝ち方。
手札次第だが、嵐とサイレントバーニングによって相手のバックを完全破壊して攻め込めるのも魅力の一つ。また、互いに攻撃できずにらみ合いになった場合は、最後の一押しとしてラヴァゴーレムで押し込めるようになっている。
欠点は、サイマジLV8が魔法以外にはとことん弱いこと。嵐である程度除去できるとはいえ、罠やクリボールにかかってしまうと一瞬で無力化される。現環境では、モンスター効果による除去が流行っているのも向かい風。
また、リスタートやドローソースによって徹底的に事故率を減らしているとはいえ、事故るときは事故るのも痛い。
更に、2月にはリスタートの下方修正も控えているので、スキルも考え直す必要がある。
かつて、レッドアイズ、アンデアイズ、ブルーアイズ、ネフティス(ついでに氷結界)辺りが幅を利かせていた時代には、防御札や除去手段の大半が魔法であり(エネコン、猪突猛進、死者への手向け、etc……)、打点もスキル粉砕込みでせいぜい3300だったので上から殴りたい放題だったのだが、今では見る影もない。化石デッキ。
カード紹介
- サイレント・マジシャン LV8
このデッキの要。
攻撃力3500で、相手の魔法効果を一切受け付けない強力モンスター。
エネコンなどの速攻魔法による防御や除去を無効化できるので、当時は環境的に中々止められにくかった。当時の打点では、攻撃力3500を止められるモンスターが中々いなかったのも強さの要因。
欠点は、とにかく魔法以外には弱いこと。防御が1000しかないので、クリボール1枚で消し炭にされる。現環境ではモンスター効果による除去や、罠によって止まるせいで使い物にならない。
- 溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム
このデッキにおけるフィニッシャー。
サイマジLV8の攻撃力が3500、ラヴァゴーレムの攻撃力が3000なので突破される心配もほとんどなく、毎ターン確実に1000ダメージを与えられる。サイマジLV8の攻撃力で無理矢理ロックする感じ。ロックしきれそうにない場合でも、相手のLPが1000以下ならば射程圏内。
まさかサイマジデッキに投入する余裕はないだろう、と思われることも多いので意表もつきやすい。
問題は、たまに突破されて墓穴を掘らされることと、横にモンスターを並べてくれないと特殊召喚できないこと。こいつを使うこと自体が負け筋になることもたまにあるので注意。
- エア・サーキュレーター
このデッキのドローソースその1。
ドローするための条件がスケルエンジェルとは微妙に違うので、こっちの方がたまーに役に立つことも。
召喚したとき限定だが、手札を2枚入れ替えることができるのもスケルエンジェルとの差別点。ただし、この場合は相手に攻撃力0の無防備なモンスターをさらすことになるので注意。畳み掛けるときや、緊急時に使う程度にしておいた方がいい。
- サイレント・マジシャン LV4
サイマジLV8の進化前。
よほどのことが無い限り、レベルアップを使わずにフィールド上に放置しておくことはない。召喚+レベルアップが基本。
ただし、その場を凌ぐ緊急時には裏側守備表示でセットすることもあるし、3枚目を使う際はサイマジLV8が使えない(2枚しか積んでいない)のでそのときは普通に召喚する。が、LPに余裕がないときは出さない方が賢明。
- スケルエンジェル
ドローソースその2。
リバース効果でドローするタイプ。相手が様子見している場合、自発的にドロー効果を使えるのが強み。
攻撃力も900あるので、サイマジLV8と一斉ダイレクトアタックをしかければ、一撃で相手が沈むのも評価点。あと、相手がクリボールを持っているかどうかを調べるために、わざと特攻させることもある。実際、これのお陰で助かった勝負も多かった。
- サイレント・バーニング
サイマジ専用魔法カード。
何らかの手段で墓地へ送り、墓地から発動してサイマジLV4を呼ぶのが主な仕事。
嵐で墓地へ送るのがメインだが、ネフティス全盛期は敢えて伏せて破壊してもらっていたことも多かった。
レベルアップが手札に無い場合は、手元に呼び込むためにこのカードでガンガンデッキを圧縮することも。墓地に落ちたら、すぐに使うべし。
サイマジLV8も呼べるが、呼ぶメリットはあまりない。
……わけではなく、サイマジLV4を呼びきってしまった後はどんどんLV8を手元に呼び込むべし。そうすることでデッキ圧縮が進み、嵐やレベルアップなどを手元に呼び込める可能性が上がる。
また、普通の効果の方も極稀に使う。主な目的は、相手のデッキ切れ狙い。
- レベルアップ!
このデッキの超重要カード。
1ターンで攻撃力3500を召喚することを可能にするカード。サーチ手段もないので、なるべく初手で呼び込んでおきたい。
また、サイマジLV8が2枚なのに対し、このカードは3枚積まれているので、1枚は嵐に使ってもいい。
- 打ち出の小槌
貴重な手札入れ替え魔法。
このカードはいつも良い仕事をするが、1枚手札が減ることになるので、相手がサイマジLV8に対する対抗罠を持っている場合、それを嵐で撃ち抜ける可能性が下がるのが面倒。
対戦中、もう必要ないと感じたら、コイツも手札コストにしてしまっていい。
- 嵐
このデッキのバック破壊手段。
サイレントバーニングを破壊して、相手の伏せカードやフィールド、永続カードを破壊するのがメイン。場合によっては、嵐を嵐で破壊することも。
当時も銀幕持ちはちらほら見かけたので、銀幕を潰せればかなりおいしかった。
サイマジデッキといえばケイローンという意見はよく耳にするが、ケイローンと違い、バック破壊からすぐにサイマジLV8での攻撃ができる爆発力が魅力。奇襲性の高さが上がるので、個人的にはケイローンよりも嵐の方が好み。
ただ、最近は嵐よりも破壊対象が広くなった「パラレル・ツイスター」が追加されたので、その辺は好みで。
プレイング
- 序盤(カードが揃うまで)
スケルエンジェルやサーキュレーターを伏せて、何もせずにとにかく待つ。本当の緊急時にはサイマジLV4を伏せたりサーキュレーターで手札入れ替えをしてもいいが、かなりリスキー。フィールドががら空きになって、LPが2000くらい持っていかれるのは日常茶飯事。とにかく一撃のために我慢する。
サイレントバーニングを伏せるかどうかは気分次第。レベルアップが既に手元にあるのなら、伏せておくと勝手に相手が破壊してくれて特をすることも(ただし、墓地に行くのではなく除外されるケースも最近は多い)。当時はよくネフティスに破壊させて得をしていた。
また、我慢の限界だという場合や、相手が一向に仕掛けて来ない場合などは、スケルエンジェルを反転召喚してもいい。
で、結局何を待つかと言うと、欲しい組み合わせは、
「サイマジLV4、レベルアップ」
か、
「嵐、サイレントバーニング、レベルアップ」
のどっちかなので、それが揃うまではとにかく待つ。
相手のバックに罠の匂いがするならなるべく後者を揃えたい(リバースカードの枚数によっては、もう一枚嵐用の魔法カードが欲しい)が、贅沢は言ってられないので出たとこ勝負。
リスタートを採用する場合、最初の手札にレベルアップが入っていたら、リスタートせずに始めたほうがいいことが多い。逆に、サイマジLV8やラヴァゴーレムが手札にある場合は、よほどいい手札じゃない限りはリスタートした方がいい(2月にはリスタートなんて採用できなくなっているだろうけれど)。
何にせよ、やることはポーカーみたいなもんである。レベルアップだけは確実に手元に呼び込んだ上で、後は流れでやればいい。
- カードが揃った後
サイマジLV4を直接出してレベルアップする分には問題ないが、サイレントバーニング込みだと少し手順を踏むことになる。手順は以下の通り。
- サイレントバーニングを伏せる
- 嵐でサイレントバーニングを破壊し、相手の魔法罠カードも破壊
- 墓地からサイレントバーニングを発動、サイマジLV4を手札に加える
- サイマジLV4を召喚
- レベルアップを発動し、サイマジLV4をサイマジLV8にする
……ちなみに手順2についてだが、相手の魔法罠ゾーンにカードが無くても嵐は発動可能なので、先手必勝な気分のときとか、流石に召喚しないと負ける、というときには空撃ちするのも手。
で、無事サイマジLV8を召喚できたのならば、よほどのことがない限りは攻撃するべし。ただし、攻撃反応型の罠カードがあると確信できる上、その罠カード以外でサイマジLV8が突破される心配がないと断言できる場合は、睨み合いを続けた方がいいことも。
また、限定された状況ではあるが、
- LPに余裕がある
- 相手の魔法罠ゾーンにセットカードがない
- スケルエンジェルが自分フィールド上にいる
……という場合は、サイマジLV8よりも先にスケルエンジェルで攻撃すると、相手がクリボールを持っているかどうかが分かる。クリボールを持っている場合は、サイマジLV8での攻撃を中止して、しばらく睨み合いをした方が良い。
- その後
後はサイマジLV8の制圧力を生かしてデュエルするべし。
余裕があれば2体目のサイマジLV8を召喚して殴ったり、更に余裕があればサイマジLV4を素で出して、最終的に3500を3体並べてもいい。が、思わぬ負け筋を生むこともあるのでこの辺は慎重に(ラヴァゴーレムの生贄にされる、エネコンでサイマジLV4を奪われてサイマジLV8と同士討ちにさせられる、など)。
また、サイマジLV8を出した直後のターンに何らかの方法でサイマジLV8が破られた場合は、2体目のサイマジLV8を出す準備をいち早く整えること。もうこの段階になるとデッキ構築が相手にバレバレなので、積極的にサイレントバーニングを墓地に送ってデッキ圧縮に努めること。サイマジカードを全部手札に呼び込んで、いち早くレベルアップを引くのが立て直しの鍵。
……さて、問題なのは、
「相手が面倒な罠カードを伏せている気がする&その罠カード以外の要因でサイマジLV8が撃破される可能性がほとんどない」
という場合。
今ではモンスター効果による除去がメジャーになってしまったのでそうでもないが、当時はこういうことがよくあった(主に銀幕)。
相手が伏せカードを新たに出してきたら、なるべく嵐を使って対処すること。この段階になれば、サイレントバーニング以外の魔法カードも積極的に嵐用に使えるはず。
……ただし、嵐を使える回数も限られている上、いつも嵐が手札にある保障はどこにもない。そこで、
「相手の伏せカードが速攻魔法(あるいはブラフ)だと信じて短期決戦を挑む」
か、
「攻撃したら危険な類の罠カードが伏せられていることを警戒して、嵐が来るまで待つorラヴァゴーレムによるバーン勝利を狙う」
のどちらかの方針で勝負することになる。
まあ、この辺は環境次第というところもあるのでなんともいえないが、当時は「ネフティスデッキは罠採用率が低いから攻める、下級での殴り合いがメインのデッキは銀幕の可能性があるから長期戦」といった感じで分けていた気がする。
基本は変な負け筋を作りたくないから短期決戦をすることが多いのだが、この辺は結構難しいところ。
- 長期戦になったら
罠カードの警戒や、相手がクリボールを持っている場合は、どうしてもサイマジLV8によるビートダウンを諦め、長期戦をしなければ勝てないケースも出てくる。こうなってしまった場合、最後の砦となるのはラヴァゴーレムだ。打ち出の小槌を使ってでも引きたいところ。
相手もサイマジデッキにまさかラヴァゴーレムが搭載されているとは思っていないので、決まってしまえば大抵は勝利できる。が、それでも、ラヴァゴーレムにやられる2,3ターンの間に執念でサイマジLV8を破るデュエリストがいるのもまた事実。なるべく、事前にサイマジLV8で一発殴ってダメージを与えておきたいところ。あらかじめLP1000以下にしておけば一撃で相手が沈むので、大抵はそれでゲームセットになる。
ラヴァゴーレムも処理された、かといって攻められない、しかも相手も有効打がなくて攻めてこない……となると、最後の最後はデッキ切れ勝利を狙うしかなくなる。当時も1,2回はこのケースに遭遇して、頭を抱えたものである。
こちらもデッキを圧縮している分不利になることが多い……かと思えば、相手もデッキ圧縮をしていたせいでイーブンの状態になっていることも。ここから能動的にデッキ切れ勝利を狙うなら、発動すべきはサイレントバーニング。
間違っても、墓地から発動してデッキ圧縮をしてはいけない。発動すべきは、一つ目の効果。相手よりも手札が多い状態で発動できれば、相手のデッキを自分よりも多く減らす事ができる。
……ただし、ここまで勝負がもつれこんでしまうと、後は運な気もする。運悪くデッキ圧縮やサーチの回数を多くしてしまった方が負けるだけ。それでも、執念で勝ちたいというならば、サイレントバーニングを使うことを覚えておくといいかもしれない。