剣闘獣デッキの使い方

 KCカップも終わりを告げ、サイコショッカーが実装されなかったおかげで、機械天使一強時代の強化という最悪の事態を避けられた今日この頃、皆さんいかがお過ごしだろうか。

 

 私はというと、機械天使が全員2nd Stageへ行ったであろうタイミングを見計らい、コソコソと剣闘獣デッキで5連勝をかすめ取り、そのまま2nd Stageで1勝だけしてSRチケットを手に入れるという小物行為をして一息ついているところである。

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(アイコンでばれてしまうが、今更機械天使のパーツ集めをしているなんてとても言えない)

 

 燃え尽きたといいつつも、目の前にぶら下がっているSR交換チケットに対する欲望には勝てなかった……

 

 

 というわけで、「DLv15~DLvMax」帯で筆者が使い続けたデッキである剣闘獣デッキについて、今回は軽く紹介したいと思う。

 現環境ではそこそこメジャーなデッキなので、もうプレイング方法や構築も出回っているとは思うが、何かしら参考になれば幸いである。

 

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構成

モンスター

  • クリボール×2
  • 剣闘獣ラクエル×2
  • 剣闘獣ベストロウリィ×3
  • 剣闘獣ムルミロ×2
  • 剣闘獣ディカエリィ×3

 (計12枚)

魔法

  • エネミーコントローラー×3

 (計3枚)

  • 分断の壁×1
  • 攻撃の無敵化×2
  • ホーリーライフバリアー×2

 (計5枚)

EXデッキ

  • 剣闘獣ヘラクレイノス×1
  • 剣闘獣ネロキウス×2
  • 剣闘獣エセダリ×2

 (計5枚)

スキル

 マインドスキャン

 

 

 

デッキコンセプト

 

 剣闘獣の効果を使って剣闘獣ムルミロ剣闘獣ベストロウリィ特殊召喚し、その効果を使って相手フィールド上のカードを破壊しつつ、剣闘獣ラクエル剣闘獣ディカエリィといった下級剣闘獣でコツコツと殴って勝利するのが主な狙い。

 EXデッキには剣闘獣ヘラクレイノス剣闘獣ネロキウスといった強力モンスターも控えており、パワーで相手を圧倒するという選択肢も取れるのがこのデッキのいいところ。

 欠点は速攻性に欠けるところと、融合モンスター以外のパワー不足。勝ち試合でも、とにかくターン数がかかる。仕留めきれなかったせいで、相手に反撃のチャンスを与えることも。下級モンスターも、その大半が1600前後であることが多いので、1800以上を横にガンガン展開してくるデッキ相手だとキツイ。

 

 

 

カード紹介

クリボー

 警戒されにくく、妨害されにくい有能防御札。

 アンティークギア然り、魔法・罠を封じてくるデッキ相手でも機能するので採用。ただし、戦闘そのものをやめさせてしまうため、剣闘獣の回転スピードが落ちるのが難点。


・剣闘獣ラクエル

 このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードをデッキに戻すことで、デッキへ戻したカード名以外の「剣闘獣」と名のついたモンスターを、デッキから特殊召喚する。

 また、このカードが「剣闘獣」と名のついたモンスターの効果によって特殊召喚された場合、以下の効果を発動する。

 このカードの元々の攻撃力は2100となる。

 

 ……という効果(以下、太字部分を当記事では「剣闘獣効果」と称す)を持つ攻撃力1800の下級モンスター。

 このデッキの主力アタッカー。なるべく3枚積みたいカード(筆者はジェム不足で2枚止まり)。

 素で出しても1800、効果で出せば2100の攻撃力なので、下級同士の殴り合いならお手の物。ついつい多用したくなるが、ヘラクレイノス召喚に1体は必要になるので、大切に扱いたいところ。

 流石に上級相手だと歯が立たないので、その場合は上手くムルミロに交代したい。

 


・剣闘獣ベストロウリィ

「剣闘獣効果 + フィールド上の魔法・罠カード一枚を選択して破壊する」

 

 という効果を持つ、攻撃力1500の下級モンスター。

 このデッキの主軸その1。ムルミロとは対をなす。

 特殊召喚して、マインドスキャンで読み取った伏せカードを除去するのが主な仕事。繰り返して何度も出れば出るほどアドバンテージが取れるので、積極的にクルクルと剣闘獣を回していきたい。

 最低限の攻撃力もあるので、エネコン等で寝かせた相手モンスターくらいなら戦闘破壊できる。自傷攻撃する際も、攻撃力1500のおかげで被害が小さく済む。

 また、3枚積んであるので、1枚程度なら手札コストにしやすい。便利。


・剣闘獣ムルミロ

「剣闘獣効果 + フィールド上に存在する表側表示モンスター1体を選択して破壊する」

 

 という効果を持つモンスター。

 このデッキの主軸その2。ベストロウリィとは対をなす。

 相手の上級モンスター、厄介なモンスター、その他もろもろを破壊可能な強力モンスター。相手モンスターの破壊の6,7割はコイツ頼み。

 短所は「攻撃800、防御400」という低ステータス。特殊召喚した後に困ることが多い。また、このデッキでは手札入れ替えカードを採用していないので、手札にムルミロがくると一気に戦いにくくなる。守り切るか他の剣闘獣に繋ぐ手立てを確保した方がいい。

 手札ではなくデッキに存在することで真価を発揮するカード。上手く使いたいところ。


・剣闘獣ディカエリィ

「剣闘獣効果 + 1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる」

 

 という効果を持つ攻撃力1600の下級モンスター。

 火力のないこのデッキ内では、一応アタッカーの部類に入る。

 剣闘獣は性質上、「ムルミロからムルミロへの特殊召喚」といった行動はできないので、ムルミロディカエリィラクエルの全てへ繋げられるこのカードは結構重要。

 また、このカード自身も2回攻撃という悪く無い効果を持っているので、状況次第ではラクエルよりもこのカードの特殊召喚が優先されることも。ダイレクトアタックした際の結果的なダメージ量でも、こっちの方が勝っている。

 あと、積み枚数の多さと重要度の低さから、このデッキだと手札コストにしやすい。

 

・エネミーコントローラー

 説明不要の有名防御札。

 クリボールと同じく、このデッキでは戦闘ごと無効にしてしまうのが短所になりがち。それでも文句なしに強い。

 このデッキだと、自分ターンに打って相手モンスターを守備表示にし、そのモンスター相手に自傷攻撃をして剣闘獣を交代するのも強い。


・分断の壁

 相手の攻撃宣言時、相手の攻撃表示モンスターの攻撃力を、相手フィールドモンスターの数×800ポイントダウンさせる罠カード。

 戦闘を無効にせずに、ほぼ確実に相手を戦闘破壊できるのが評価点。フリーチェーンじゃないのがネック。

 

・攻撃の無敵化

 バトルフェイズ時に発動でき、「このバトルフェイズ中、フィールド上のモンスター1体を戦闘やカードの効果で破壊されないようにする」効果か、「自分への戦闘ダメージを0にする」効果のどちらか片方を選ぶ罠カード。

 自分ターンから攻撃するときにも発動できるのが強み。特に1つ目の効果はよく使う。守備表示でない限りは戦闘ダメージを受けるが、剣闘獣をクルクル回せるので便利。


ホーリーライフバリアー

 手札を1枚捨てることで、発動したターン、相手から受ける全てのダメージを0にし、自分のモンスター全てが一切戦闘破壊されないという効果を発揮する罠カード。

 いつでも発動できる上、効果が何もかもマインドスキャン剣闘獣デッキにマッチしているトンデモカード。ただし、手札コストが必要なので、勝負所を見極めて使う必要がある。ハイリスクハイリターン。

「手札のホーリーライフバリアーをコストに、ホーリーライフバリアーを発動!」

 ということもよくある。

 手札コスト候補は、ディカエリィベストロウリィクリボール、ホーリーライフバリアー、被ったエネコン、対戦相手のデッキのせいで腐った魔法・罠(例:サイマジデッキのせいで腐ったエネコン)


・剣闘獣ヘラクレイノス

 フィールド上のラクエル1体 + 剣闘獣モンスター2体をデッキに戻して特殊召喚。手札1枚を捨てることで、魔法・罠カードの発動を無効にして破壊する。

 

 という効果を持つ融合モンスター。

 攻撃力3000、防御力2800というステータスを持つ、剣闘獣デッキの切り札

 手札さえあれば、相手の戦術の多くを封じられる強力モンスター。寝かされてもちょっとやそっとじゃ倒されない防御力も魅力的。手札コストを十分確保した状態で召喚できれば、勝利は目前になる。

 欠点は、モンスター効果による破壊やバウンスを防げないこと。効果除去モンスターをピン挿ししているデュエリストもいるので、思わぬ伏兵に消し炭にされることも。


・剣闘獣ネロキウス

 剣闘獣モンスター3体をデッキに戻して特殊召喚

 このカードは戦闘では破壊されず、このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスター効果を発動できない。

 また、このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、EXデッキにこのカードを戻して発動できる。デッキから剣闘獣モンスター2体を特殊召喚する。

 

 …という効果を持つ融合モンスター。

 攻撃2800防御1900、そして強力な効果を持つ剣闘獣デッキ第2の切り札

「古代機械の巨人」と「古代機械の獣」を足したようなモンスター効果に加え、破壊耐性持ちという強さ。戦闘破壊されないので、寝かされても比較的安全。除去効果持ちのリバースモンスターさえも黙らせることができるので、その制圧力はすさまじいものがある。

 更に、EXデッキに戻せば2体の剣闘獣の特殊召喚もできるので、柔軟性も高い。ただ、3枚を融合に使って2体出す、という点では損しているので、この効果を使う際は慎重に。

 といっても、バトルフェイズ以外での除去は一切防げないので過信は禁物。


・剣闘獣エセダリ

 剣闘獣モンスター2体をデッキに戻して特殊召喚

 

 攻撃2500防御1400の融合モンスター。

 ぶっちゃけ出番はあまりない。

 「剣闘獣効果」を持たないため、コイツを出してしまうと、剣闘獣の流れが止まってしまう。デッキコンセプトそのものを否定しているようなカードなので、そもそも相性がそんなによくない。

 寝かされると、その辺の下級モンスターに倒されるのも考えもの。

 ただ、比較的簡単に剣闘獣をデッキに戻せるという点は評価できる。ロックバーンデッキのギミックに捕えられたモンスターをデッキに逃がしたり、ムルミロをデッキに戻す方法の一つとして候補に挙がったりはする。

 それでも、緊急時以外は他の融合モンスターを出せる状況になるまで我慢したほうがいい。

 

 

 

プレイング

 

 

・先行後攻1ターン目

 召喚の優先順位は大体、

 ムルミロディカエリィラクエルベストロウリィ

 

 となる。

 デッキの中にいないと意味がないムルミロは早々に使ってしまいたい。

 ディカエリィは相手の動き方に合わせて誰にでもバトンパスできるので、取り敢えずで召喚しておくと安定する。様子見専用モンスター。

 ラクエルは強いのでさっさと出してフィールドを制圧したいところだが、撃破されてしまうと戦力的にかなりの痛手なので慎重にやりたいところ。打点的に有利に勝負を進められそうなときは召喚したい。このモンスターもムルミロベストロウリィバトンパスできるので有能。

 ベストロウリィはあまり初手では出したくない。「魔法・罠の破壊という選択肢を捨ててます」という思考をわざわざ相手に教えてしまうのは、この類のフィールド制圧型デッキにとっては悪手だ。なるべく2,3ターン目で召喚して、一斉攻撃に参加させてデッキに戻したい。

 

 ……ベストロウリィの理屈でいくなら、初手ムルミロもまずいのではないかと思った方は、ある意味正解ではある。実際、2,3ターン目の一斉攻撃にムルミロを参加させることもある。ただ、ダメージを最小限に抑えつつムルミロを確実にデッキに戻したいとなると、相手の手が揃いきる前、つまりは1ターン目に召喚するのが確実だったりする。

 

 伏せカードはなるべく2枚は伏せる。ネフティスデッキも衰退しているので、現環境なら2枚伏せが安定。

 相手ターンでも剣闘獣入れ替えをして攻め立てたいなら「攻撃の無敵化」「ホーリーライフバリアー」「分断の壁」を、自分ターンに守備表示モンスターに総攻撃を仕掛けて2,3体の剣闘獣を入れ替えたいなら「エネミーコントローラー」「クリボール」を。ただ、ホーリーライフバリアーはなるべく後々の大事な場面に残しておきたい。相手が短期決戦を仕掛けてくると予測できるなら別だが。

 

・その後

 山も谷もなく、最初から最後まで状況に応じてクルクル剣闘獣を回し続けるので、戦い方は終始同じ。

 多少変わっていくとしたら、マインドスキャンがきれる前ときれた後。LP3000をきるとマインドスキャンがきれるので、そこからは多少臆病に戦う。伏せカードが出て来たら、確実にベストロウリィで可能性を潰しにかかる、とか。強気にいくのも悪くはないが、無理して強気にいかなくても、確実な選択肢を選び続けた方がこのデッキは強い。

 

 基本的には、相手を迎え撃つときはディカエリィラクエルで構えて、相手のカードを除去するときにはベストロウリィムルミロに切り替える。ベストロウリィなら相手ターンに晒しても問題はないが、ムルミロは2枚しか積んでいないので大切にしたい。

 

 ぶっちゃけ、このデッキは癖があり、その場その場に応じた様々なプレイングが必要になる。

 例えば、

 

・相手の場に古代の機械巨人1体、守備力1600の守備表示モンスター1体、古代の機械城1枚

・こちらの場にはラクエルベストロウリィ

 

 

 の場合、

 

ベストロウリィで守備力1600を攻撃、破壊できずこちらに100ダメージ

ラクエルで守備力1600を攻撃、破壊

③バトルフェイズ終了時、ベストロウリィを戻しムルミロ召喚、古代の機械巨人を破壊

④更にラクエルを戻しベストロウリィ召喚、古代の機械城破壊

 

 ……といったプレイングが、相手の可能性を全て潰す選択肢になる。

(似たような内容が遊戯王wikiに載ってたし、実際自分もこういったケースに遭遇したので、この例題は頭の片隅に留めておくといい)

 

 とにかく剣闘獣が生きたまま戦闘を多く成立させることを考える。それが結果的に剣闘獣の特殊召喚に繋がり、最後は勝利につながる。自分から自傷ダメージを負うこともいとわない姿勢が大切。

 余裕ができてきたら、マインドスキャン圏内でダメージを管理するようにしたり、逆にマインドスキャンが用済みだと思ったら自傷ダメージを負いまくってでも一気に有利状況を引き寄せるプレイングも意識する。